音楽の現在においてその先見性が高く評価されるだけでなく、
ファッション、コミック、モダンアート、ダンス、写真、映画など、
高級/低級(ハイ・アート/ロウ・アート)にかかわらず
ロックに近接する全ての文化的ジャンルを巻き込んだ新感覚の運動体として
未だにファンの間で伝説的に語られる雑誌「ロックマガジン」を主宰し、
日本で最初のインディペンデント・レーベルといわれる
「ヴァニティー・レコード」を立ち上げたことで知られる音楽評論家・プロデューサー阿木譲。
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約10年ぶりとなる継続的な紙メディア「0g(zero-gauge)」を昨年末に刊行したことを発端とし、
今年になっての「アイデア」誌の特集や、0g_02の刊行にあわせたナディッフ・モダーンでの展示+トーク、
スーパーデラックスでのトーク+ライブ+DJイベントでますます活動を広げ、
同時に再評価の機運が高まる阿木がエディットする、
音の現在の深層を鋭く捉える展覧会。
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黎明期の電子音楽やミュージック・コンクレートなどのテープ音楽を端緒とし、
現代の先鋭的なミュージシャンから参照される80年代のインダストリアル・ミュージックを経て、
近年、多くの鋭敏なアーティストがアナログ・シンセサイザーを再評価し、またモジュラー・シンセサイザーへと志向する流れを、
「コンクレーティズム=具体主義」という視点で再解釈し、展示/本/ライブ/トーク/DJの複合的なチャンネルで提示します。
展示内容
A:
「コンクレーティズム」をキーワードに、阿木譲がセレクトした、
黎明期の電子音楽から尖端音楽までのレコード、音源オブジェの展示
B:
「コンクレーティズム」をキーワードに、阿木譲がセレクトした、映像のプロジェクション
C:
初日に2階で行われる、モジュラー・シンセサイザー・コンサートの模様を再生
D:
最近の尖端音楽のモードであり、音の「コンクレーティズム」の顕著な現象であるモジュラー・シンセサイザー、
そして、参照点としてのビンテージ・シンセサイザーの展示と再生
関連イベント
ギャラリー2階スペース(クロージング・パーティーは別会場)│開場は開始の30分前
入場料:1000-2000円/再入場可|定員:椅子席30/立ち見20│当日先着順
8/2
16:00- _
オープニング・トーク「音楽のコンクレーティズム」入場料2000円
阿木譲+畠中実 [主任学芸員/NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]]
19:00- _
オープニング・ライブ「CON/cretism」
モジュラー・シンセサイザー、ビンテージ・シンセサイザーを使用する3アーティストが出演
町田良夫 [東京]、宮里尊紀 [大阪]、蒲澤真希雄 [名古屋]
8/9
18:00- _
スピンオフ1|「ポスト・インターネット時代のヴィジュアル・コミュニケーション」│企画:室賀清徳
「アイデア」No.366の発売に合わせたトークイベント。これまで語られることのなかったネットにおけるイメージ生産の最先端やその歴史について語ります。
参加費:1000円(「アイデア」最新号を会場でご購入の方は特別割引料金500円)
詳細・申し込み:
http://www.idea-mag.com/blog/editor/
高岡謙太郎[「DMM.make」編集部員]
ばるぼら[ネットワーカー / 古雑誌蒐集家 / 周辺文化研究家]
室賀清徳[「アイデア」編集長]
出演者プロフィール
8/23
18:00 _
19:00 _
20:30 _
スピンオフ2|Sound of the Real|入場料2000円|企画:梅津元
美術/視覚と音楽/聴覚の双方を視野に入れ、コンクレーティズムと交差するリアルな音の在処を問う。
サウンド・トーク=梅津元[埼玉県立近代美術館主任学芸員/芸術学]
トーク&ライブ=角田俊也[フィールドレコーディング/アーティスト]
トーク&ライブ=伊東篤宏[美術家 / OPTRON プレイヤー]
出演者プロフィール
8/30
18:00- _
スピンオフ3|トーク「タイポグラフィーのコンクレーティズム」│入場料1000円│企画:秋山伸
永原康史 [グラフィック・デザイナー/多摩美術大学教授]、秋山伸 [グラフィック・デザイナー/edition.nord]
コンクレートなタイポグラフィーとは何か? 二人がそれぞれの視点でプレゼンテーションし、
それらへの応答の中でグラフィック・デザインにおけるコンクレーティズムの可能性を探ります。
9/6
17:00- _
クロージング・トーク「批評家の死/ロックの死」│入場料1000円
阿木譲+椹木野衣[美術評論家/多摩美術大学教授]
19:00 _
20:00 _
21:30 _
Wasabro VII
asyl cahier
阿木譲「Bricolage: CON/cretism」
出演者プロフィール
町田良夫│Yoshio Machida
音楽家、スティールパン奏者/美術家。Jazz~実験音楽でスティールパン、ガムラン、エレクトロニクスを演奏。
ISEA2004、Sonar Tokyo、MaerzMusik等国内外の音楽祭参加。
音楽レーベル、アモルフォンを主宰。
2014年、仏Baskaruよりアナログ・モジュラー・シンセのアルバムをリリース。
http://www.yoshiomachida.com
高岡謙太郎
オンラインや雑誌で音楽,カルチャー関連の記事を執筆。
共著に『Designing Tumblr』『ダブステップ・ディスクガイド』『ベース・ミュージックディスクガイド』など。
オンライン・メディア「DMM.make」編集部員。
ばるぼら
ネットワーカー、古雑誌蒐集家、周辺文化研究家。
インターネットおよび自主制作文化について執筆、調査・研究を行う。
室賀清徳
「アイデア」編集長。同誌編集のほか、デザインやタイポグラフィ関連の企画・編集・執筆を行う。
MEMEデザイン学校、武蔵野美術大学、東京藝術大学などで教育活動にも携わる。
角田俊也|Toshiya Tsunoda
1964年生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科修了。1990年代より、ライブ/パフォーマンス、インスタレーション、CDリリース等の活動を行う(1994年から2006年まではWrkのメンバーとしても活動)。小型マイクやコンタクト・マイクを用いるフィールド・レコーディングによって採集される振動現象により、空間の固有性や時間の推移を描写。主な展覧会に、「サウンド・アート」(ICC, 2000)、「Wrk連続個展」(OFF SITE, 2003)、「Simple Interactions」(ロスキル現代美術館, デンマーク, 2011)、「きこえないおと」(Talion Gallery, 2012)などがある。また、近年はルーク・ファウラーとの共作により、横浜トリエンナーレ(2008)、サーペンタイン・ギャラリー(2009)、ニューヨーク近代美術館(2013)、タカ・イシイ・ギャラリー(2013)等でインスタレーション作品を発表している。
http://toshiya-tsunoda.blogspot.jp
伊東篤宏|Atsuhiro Ito
1965年生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科修了。1980 年代後半に美術家として活動を開始。1998年からサウンド・パフォーマンスを開始し、インスタレーション作品の素材である蛍光灯を使用した自作音具「オプトロン」を制作。数々の改良を加えつつ現代美術側からの音あるいは音楽へのアプローチを世界各国で続けている。川口現代美術館スタジオ(1999)、多摩美術大学美術館(2002)、原美術館(2009)、SNOW Contemporary(2013)等で個展を開催するほか、「オプ・トランス!」(企画:椹木野衣, キリンプラザ大阪, 2001)、「目眩の装置」(川崎市市民ミュージアム, 2006)、「Simple Interactions」(ロスキル現代美術館, デンマーク, 2011)等のグループ展に参加。また、ソロ・パフォーマンスの他に Optrum, 今井和雄TRIO, OFFSEASON,等のバンドやユニットなどでも活動。近年はカールステン・ニコライらの「diamond version」へのゲスト参加など、幅広い展開を見せている。
www.gotobai.net/
Wasabro VII
インダストリアルノイズユニット “action directe©(1995-)”、テクノポップユニット”アホロートル(2003-)”等で活動、阿木譲がプロデュースする”nu things”への出演、東京”Aoyama Tunnel”のレギュラーDJでは”0g”掲載のContemporary Modern Musicを積極的にPlay中。今回は”0g_02.5”掲載のアーティストを中心に選曲予定。
http://www.actiondirecte.net/
asyl cahier
2013年アメリカより帰国。呪術的かつ前衛的なエッセンスを携えたハウス/テクノグルーヴを得意とする。また、ダンス・ミュージックのみならず民族音楽・実験音楽・ダブ・ジャズ他、ジャンルを越境した無国籍ニューエイジ系スタイルのDJにも定評がある。ドイツで毎年開催されている歴史あるフェス、Fusion Festivalにも招聘される等、活躍の場を国内外問わず着実に広げている。
https://soundcloud.com/asylcahier/